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塩竈神社の不思議 (2018年) [宮城 塩竃]

久しぶりに塩竈神社に行ってきました。
この神社は、2年ほど仙台に住んでいた事もあってよく参拝に行っていました。
この神社には謎があります。創建が定かではなく、昔から陸奥国一之宮として国家的に庇護されてきたにもかかわらず『延喜式』に記載されていない式外社であり、神位勲等の奉授を受けていない事です。

この神社の祭神は、鹽土老翁神、武甕槌神、経津主神の三柱です。武甕槌(タケミカヅチ)神、経津主(フツヌシ)神は、国譲り神話でアマテラスの指示で大国主に国をを譲るように迫った武神です。言わば、皇室から送られた武人のツートップです。(笑) 御存じのように、武甕槌神は鹿島神宮、経津主神は香取神宮の祭神として祀られています。その二柱が、主祭神の鹽土老翁神と一緒に祀られています。

問題なのは拝殿の配置です。下の参道から200段の階段を登って、真っ直ぐ進むと左右宮の拝殿があり、画像のように右宮(経津主神)、左宮(武甕槌神)があります。そして、その90度右側に別宮(鹽土老翁神)が配置されています。
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これまで鹽竈神社についてあまり調べた事が無かったため、40年以上前から20回以上訪れましたが、いつも左右どちらかの宮を参拝して終わりにしていて、思い出してみても主祭神の鹽土老翁神を祀った別宮を参拝したのは1度しかありません。(-_-; これにはやられた、という感じです...。
これが、参道から真っ直ぐ進んだ所に配置されている左宮、右宮です。
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こちらが90度右に行った所にある別宮です。普通の人は、3つ拝殿があっても全部参拝することはないでしょうから、明らかに主祭神である鹽土老翁神を拝ませたくないという意図を持って拝殿が配置されているように思えます。参拝者には鹽土老翁神を拝んだと思わせておいて、実際には皇室が送った武甕槌神か経津主神のどちらかを参拝させるという仕掛けです。
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という事は鹽竈神社の祭神である鹽土老翁神は、皇室に敵対する神だったのでしょうか?
鹽土老翁神は製塩方法を教えた神と言われていますが、よく分かっていない神です。
海の幸、山の幸の話で山の幸が釣り針を無くして困っている時に相談して解決策を教える神として日本書紀、古事記に記載があります。
また、日本書紀には、神武天皇に『東に美し国がある。青い山を四方に囲まれて、その中に天磐船に乗って飛んで降りた者が居る』と情報を与えて、神武東征のきっかけになった事が書かれています。これは古事記には記載がありません。

東の方に先にニギハヤヒが天下っていた事を知っていたという事は、物部氏かと思い、先代旧事本紀を見てみましたが、神武東征に関しては鹽土老翁の名は出てきません。
その代わりに、『(ニニギが)長屋の竹嶋に登り、その地を見わたすと、そこには一柱の神がいて、みずから事勝国勝長狭(ことかつくにかつながさ)と名のった。この事勝国勝神は、伊弉諾尊の子で、またの名を塩土老翁という。』という記載がありました。
これが本当であればアマテラス、スサノオと兄弟という事になりますが、記紀にはそのような事は書かれていません。
いずれにせよ不思議な神様です。

今回、塩竈神社に行って別宮を中心に全ての神様にお参りしてきました。(今さらですが...)
帰りにボランティアの方が居たので、この別宮の配置の件を聞いてみました。
別宮の配置の理由は、4代の仙台藩主(確か)が当時の学者を集めて検討して、武人の神様であるタケミカヅチ、フツヌシの神のお宮が仙台城の方向を向くようにした事が理由との事です。
なるほど! そうだったのか、と思って納得して帰りました。

ところが、家に帰ってGoogle Mapで方角を確認したら全然違っていました。(笑)
そのような言い伝えはあるのかもしれませんが、正しくありません。やはり謎ですね。

社伝によると、東北地方を平定する役目を担った鹿島・香取の神に道案内されて鹽土老翁神がやって来たとの事です。平定後に鹿島・香取の神は元の宮に戻り、鹽土老翁神がこの地に残ったと言われています。

裏の駐車場から上がると、志波彦神社の鳥居があります。
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こちらが塩竈神社の鳥居です。
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重要文化財指定の回廊が修理が行われていて新しくなっていました。回廊の所にある「撫で牛」です。
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改修できれいになっていました。
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改修していたのは知りませんでした。
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右にあるのが別宮、左側が「左宮」、「右宮」です。
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上から200段の階段を見下ろしました。
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庭園の所から塩竈港がきれいに見えました。
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同じ松島湾の中でも塩竈は、3.11の時の津波の被害が大きかった地域です。
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神社に参拝する時は、その神社の由緒を必ずチェックするようにした方が良いですね。
みなさんも、塩竈神社に行かれる時には、正面の左宮、右宮はさておき、別宮は必ずお参りするようにしましょう!


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